「出雲の阿国」の謎をとく舞踊~東京国立劇場「世界舞踊祭」で上演

「出雲の阿国が出雲大社の巫女であったとの説があるが、仮に巫女であったとすると巫女であるのに諸国を勧進する際、なぜ神楽ではなく念仏をおどってみせたのか?」

故黛節子氏は、古代日本のおどりの原点について、このような深い疑問をもち、長年「出雲の阿国」について研究・熟考してきた。そしてそれは、今月3月29日に東京の国立劇場の《世界舞踊祭》で、上演される「出雲の阿国・近世絵巻」において謎がときあかされる。

黛節子氏は、阿国は単なるあるき巫女ではなく、声聞師系(胸にたたき鐘をつけ声聞を唱え歩く)の巫女であった可能性も考える。声聞師はほとんどが男の職であったのに、何故彼女は金鼓を胸に下げたのだろうか。いずれにしても、一介の声聞師巫女が、ついには江戸城家康の前で踊るまでにのしあがったというのはおどろきだ。したたかな女性阿国を現代の舞台によみがえらせるべく、ついに阿国の舞台の幕があがる。

「出雲の阿国・近世絵巻」

  1. 花念仏
    念仏縁起・衆生の鉦(助川敏弥曲)
  2. 想夫恋
    春宵一睡の夢(渡辺浩風曲)
  3. しのはら踊り
    煩悩不捨・踊り明かさん花の下・吉野の里の花だより(渡辺浩風曲)
  4. 巫女舞
    岩手県早池峰の麓に残る山伏神楽のひとつ。煮えたぎる湯を笹につけて四方をはらい、幸を願う踊り。(渡辺浩風曲)
  5. ややこ踊り
    阿国の自慢・稚児の踊りはおもしろや(林あきら曲)
  6. 小原木
    綾子舞幻想(渡辺浩風曲)
  7. からす三番
    田清めの男が種をまく。それをついばむカラスのいとも和やかな踊り
  8. 祝い舞
    宮城県仙台郊外の秋保地区につたわる、花田植 ~祈りを込めて苗を植える乙女たちの踊り~
    豊年舞 ~豊作を祝い、祈る踊り~(飯島一夫曲)

※ 世界舞踊祭は昼の部と夜の部があり、「出雲の阿国」は昼の部の最後に登場。

世界舞踊祭2014
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